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大好きな日本を守りたい

読書

司馬遼太郎「歴史を紀行する」を読んで、関ケ原が現代に繋がっているということ

司馬さんの「街道をゆく」が面白かった。 司馬さんに興味をもち、図書館で司馬さんのコーナーを見ていて、何となく目にとまったのが「歴史を紀行する」。 借りて読んでみたら、またまた面白かった。 目からうろこの歴史の流れ、知らなかった人物との遭遇。 …

前田慶次郎の物語、隆慶一郎の「一夢庵風流記」は面白すぎる

隆慶一郎は、また凄いヒーローを私たちのもとに登場させてくれた。 実在した人物、前田慶次郎の物語。 今ではこの名前はかなり知られている。 それは隆慶一郎の「一夢庵風流記」を原作とした、原哲夫による漫画「花の慶次」の影響であろう。 文庫本裏表紙の…

山本兼一「火天の城」は、壮大な命がけの築城物語り

織田信長が天下をとって琵琶湖畔に築城された「安土城」は、信長の終わりと共に焼失し、幻の城と言われる。 当時としては考えられない巨大な安土城は、日本史上、はじめて高層の天守を持ち、城全体が高石垣で覆われた石の要塞であった。 しかし、期間が10年…

司馬遼太郎の「街道をゆく 1」は日本の歴史を歩ける面白さ

司馬遼太郎さんが、街道を歩きながら歴史を教えてくれる楽しい1冊でした。 と言っても、初めて聞く、目にする、日本語も多く、立ち止まることはたびたびあるのだけれど。 第一巻の大見出しは 湖西(こせい)のみち 竹内(たけのうち)街道 甲州街道 葛城(か…

信長暗殺に散る五人の刺客の物語「弾正の鷹」山本兼一著

「利休にたずねよ」で直木賞を受賞した、山本兼一さんの時代小説を久しぶりに読んだ。 山本兼一さんの時代小説は面白い。まだ未読の楽しみにしている作品はとってあるので、今回は五編の短編集を手に取ってみた。 「下針(さげばり)」の主人公は、紀州雑賀…

「戦の国」を読んで、家康嫌いが確定した

家康ファンの方がいらしたら、すみません。 初の作家さんだった冲方丁さんの「戦の国」、とても面白かった。 戦国、動乱の55年を駆け抜けた、織田信長、上杉謙信、明智光秀、大谷吉継、小早川秀秋、豊臣秀頼ら六傑の視点から描く、連作短編集。 どの武将も、…

池浪正太郎の「西郷隆盛」を読んで、明治維新の真相がわかった

鹿児島、錦江湾に浮かぶ桜島 池波正太郎は、エッセイ以外はほぼ読みつくしてしまったと思っていたら、読んでいない本があった。 しかも、気になっていた「西郷隆盛」だ。 幕末ものをいくつも読んできて、西郷隆盛は明治維新の立役者の一人のはずなのに、どう…

私にとって初の時代小説作家、辻堂 魁さんの「仕舞屋侍」を読んだ

主人公は、かつて御小人目付(おこびとめつけ)として剣と隠密探索の達人だった九十九九十郎(つくもくじゅうろう)。ある事情で職を辞して、「仕舞屋」と称して事件のもみ消し屋を営んでいる。歳は50代だろうか、江戸時代ではおじいさんと呼ばれる頃合い。 …

舶来の青い顔料で成功した歌川広重の物語「広重ぶるう」を読んだ

錦絵の「東海道五十三次」や「名所江戸百景」で有名な、歌川広重の生涯を描いた物語。 <錦絵と浮世絵の違いについて> 「浮世絵」とは、日本画の種類のひとつで、江戸時代の風俗(美人画や役者絵、風景画など)を描いた、庶民的な絵画のことです。なお、浮…

今村翔吾のエッセイ「湖上の空」を読んだ

新たに時代小説作家を探していた時に、直木賞を受賞した今村翔吾さんの「塞王の楯」が良いらしいということを知った。 読みたくなり久しぶりに購入しようと思ったら、文庫本がまだ出ていない。電車通勤で読むには単行本は重いけれど、どうしても読みたくなっ…

東大寺仁王様を作った運慶の本、「荒仏師 運慶」梓澤要著

東大寺の金剛力士像(1203(建仁3)年) 東大寺の金剛力士像(仁王様)を初めて見たとき、息をのむ衝撃で立ちすくんでしまった。 それから様々な仁王様にお目にかかってきたが、作った人によって本当にお顔や姿が違っていて、作った人にも興味を持つようにな…

【2023年私のベスト本】主人公編と感動編

去年の年間ベストはもう、悩むことなく断トツで「鬼平犯科帳」だった。 主人公としても、感動作品としてもだ。 revivel.hatenablog.jp 今年は外へ出る機会が増えたので、去年に比べると読書量はかなり減ったけれど、新たな分野を読んだりして、読書の幅は広…

「コンビニ人間」村田沙耶香著を読んだ

図書館でふと目に付いて、なんか聞いたことあるタイトルだと思って借りてみた。そうしたら、芥川賞受賞作だった。だから聞いたことがあったんだ。 主人公は大多数の人が共通認識している「普通」というものが理解できない、古倉恵子36歳。コンビニバイトに生…

ヘミングウェイ「日はまた昇る」守屋陽一訳を読んで

第一次世界大戦を経験した若者が、自堕落に過ごす日々・・。 終始、お酒を飲んで、酔って、喧嘩して、食べて、遊ぶ。 ヘミングウェイ自身と、一緒にスペインを訪れた7人の友人がモデルで、イギリス人の貴婦人ブレット・アシュリーを奪い合う。 何なの、この…

ヘミングウェイ「海流のなかの島々」訳:沼澤洽治を3週間かけて読了

今週のお題「最近読んでるもの」 洋書を読んだ記憶は、高校生の時にマーガレット・ミッチェルの「風と共に去りぬ」くらいで、最近では2~3年前にヴィクトール・E・フランクルの「夜と霧」を読んだ。 一つの作品を読み終わるのに3週間かかったのは初めての…

「41歳からの哲学」池田晶子:生きても死んでも大差ない

ちょっとしたきっかけで手にした哲学の本。 41歳から・・これは実年齢とはかけ離れています、念のため。しかし、残念なことに精神年齢はもちょっと低いと思う。 本書は、「週刊新潮」で「死に方上手」のタイトルで連載されたものを集めた書籍だそう。 本書の…

重松清「その日のまえに」を読んで問う、また誰かを愛してもいいですか

「その日のまえに」の”その日”とは、そう、最期の日のことだ。 裏表紙の紹介文は 僕たちは「その日」に向かって生きてきた。昨日までの、そして、明日からも続くはずの毎日を不意に断ち切る家族の死。消えゆく命を前にして、いったい何ができるのだろうか・…

「限りある時間の使い方」を読んで、意味のある人生を自分に問う

全米ベストセラーのオリバー・バークマンさんの本書、誰かが紹介していて気になって購入したまま積読本になっていた。 突然、むくっと読む気になって週末に一気読みした。 人の平均寿命は短い。ものすごく、バカみたいに短い。 中略 80歳くらいまで生きると…

侍好きが「大空のサムライ」を読んだ

10年以上前に「永遠のゼロ」を読んでから零戦に興味を持って、当時も坂井三郎さんの本を読んだ記憶がある。 今回はどこかのブロガーさんが紹介していて、終戦記念日の8月という事もあって手に取ったけれど、読み終わらず9月になってしまった。 「大空のサム…

「修羅走る 関ケ原」を読んで、関ケ原の合戦とは何だったのかを思う

関ケ原の合戦について、遠い昔にそんなことがあったくらいしか知識がなかった。 時代小説をむさぼり読むようになって、約2年半。 特に池波正太郎の作品は、戦国時代、江戸時代、幕末、それぞれが面白くて、自然に日本の歴史に興味を持つようになった。 目に…

映画「のぼうの城」は面白かったけど、小説はもっと面白かった

豊臣秀吉が天下統一をとるときに、最後まで陥落することなく、唯一落とせなかった城として名を残すことになった忍城(おしじょう)の戦い。 のぼうの城の忍城は、現在の埼玉県行田市に位置し、史実に基づいたお話です。 読後はもう 爽快! 清々しいことこの…

直木賞受賞作「利休にたずねよ」は、千利休切腹の謎を解き明かしていく物語

新たに、時代小説作家さんを探してたどり着いたのが、山本兼一さん。 最初に選んだ作品が、第140回直木賞受賞作、「利休にたずねよ」。 PHP文芸文庫紹介文 女のものと思われる緑釉の香合を肌身離さず持つ男・千利休は、おのれの美学だけで時の権力者・秀吉に…

和田竜 著「小太郎の左腕」は、鉄砲集団雑賀衆の11歳の最終兵器・・

鉄砲集団「雑賀衆」とは 「村上海賊の娘」「忍びの国」などは、かなり史実に基づいた作品であったけれど、今回は戦国時代が舞台のフィクションである。 フィクションではあるものの、「村上海賊の娘」にも登場していた、戦国最強の鉄砲傭兵集団「雑賀衆」の…

池波正太郎著「獅子」は、徳川に付いた真田昌幸の長男、信之のものがたり

かの関ケ原の戦いで、西軍に付いた父の真田昌幸、弟の幸村と別れ、家康の養女を妻にした長男の信之は東軍に属し、家康に評価されていたということは知っていた。 次男の真田幸村は、不利と分かっていても最期まで豊臣に付き、大坂冬の陣・夏の陣で後世にまで…

藤沢周平の短編集「時雨みち」

久しぶりに藤沢周平を読みたくなって、選んだのが短編集の「時雨みち」。 通勤の電車内で読むには、短編集はちょうどよい。 1979年~1981年の作品で、武家もの、市井もの11篇を収めている。 相変わらず、渋くて、男女の機微、人生のやるせなさを端正に綴って…

朝倉かすみ著「平場の月」を読んで、心がヒリヒリしてしょうがない

とにかく、まいりました。 脳なのか、心なのか、後遺症だ。 ヒリヒリ、痛い。 朝倉かすみ、何もの? この「平場の月」は、山本周五郎賞を受賞していて、直木賞候補にもなっていた。 久しぶりに時代小説以外を読もうとしたのは、先輩ブロガーのくーさまが紹介…

熊谷達也の「我は景祐」は、明治維新の影で散ったもう一人のヒーロー

2022年11月ごろから会津藩の最期に興味を持ち始め、そこから幕末、明治維新関係を読み始めた。 revivel.hatenablog.jp 今年、2023年1月に、池波正太郎著「幕末遊撃隊」を読んで、新たな実在したヒーローに感動して、幕末ものはひと区切りしたつもりでいた。 …

隆慶一郎「吉原御免状」は、家康が影武者だったというお話し

隆慶一郎を読むのは2冊目になる。 面白い。 主人公の松永誠一郎は、生後十三日目で宮本武蔵に拾われて、25歳まで肥後の山中で育てられる。武蔵の死後、武蔵の書状をもって訪れた、江戸・吉原で裏柳生との争いに巻き込まれる。二天一流の達人で、実は後水尾院…

沢木耕太郎「春に散る」を読んで、ボクシングが苦手ではなくなっていく

ネット上で、佐藤浩市×横浜流星W主演で映画化「春に散る」と言う記事をみつけた。 「春に散る」の公式サイトをのぞいてみると、好きな山口智子も出演する。 佐藤浩市のコメント、「生き様があっても生き方が見えない漢たちが、自身のこれからと最後を賭けて…

長谷川平蔵から「死ぬことと見つけたり」の斎藤杢之助に浮気する

時代小説ばかり読むようになって2年余り。 時代小説は、市井ものから捕物帖、剣豪小説などジャンルも多く、いくら読んでも飽きることがない。 いろいろ調べているうちに、「そうか、私はチャンバラ好きなのだ・・」ということに行きついた。 そして、隆慶一…