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時代小説に夢中

読書

池波正太郎「幕末遊撃隊」は明治維新へのタイムマシン

去年2022年秋から幕末に関する時代小説を読んできた。 会津藩に興味を持ったことから始まった幕末ものも、ひとまずこれで一区切りになる。 そして、幕末の名剣士、伊庭八郎を私は知らなかった。 代々にわたる心形刀流の道場で、江戸でも名流とうたわれた剣家…

【2022年私のベスト本】池波正太郎「鬼平犯科帳」

「鬼平犯科帳」はテレビ時代劇でお馴染みの方も多いかと思います。 私は時代劇を観ていないけれど、名前くらいは知っていた。 2021年11月に池波正太郎を読むようになってから、「鬼平犯科帳」はタイトルが何となく手に取ろうとする気にならず、やっと手にし…

斎藤一を知りたくて、浅田次郎「一刀斎 夢録」を読んでみた

一刀斎・・・後ろから読むと斎藤一(知らなかった!) 斎藤一と言えば、人気アニメの「るろうに剣心」でもお馴染み、映画では江口洋介が演じていて、知っている人は多いと思う。 最強と言われ、恐れられた、新撰組三番隊組長。 どうして斎藤一を知りたいと思…

明治維新の影に、気高く生きた会津藩の人々の物語「修理さま 雪は」を読んで

会津落城の早朝、運命が一変してしまった会津藩の人々を主人公にした連作7編です。会津藩と言うと、15歳前後の武家男子を集めた白虎隊の悲劇が思い浮かんでしまいますが、史実に基づいた7人のお話は涙なしでは読めないものでした。 「修理さま 雪は」藩主…

池波正太郎「火の国の城」を読んだら、加藤清正にぞっこん

「火の国の城」は、池波正太郎の忍者シリーズ「忍者丹波大介」の続編。 私は知らずに1番最初に「火の国の城」を手に取ってしまったけれど、面白く読めました。 前作の「忍者丹波大介」は、豊臣秀吉の死から関ヶ原合戦までで、「火の国の城」はその5年後から…

藤沢周平の短編集「夜消える」の(踊る手)は教科書に載せたい

藤沢周平と言ったら、多くの作品が映画にもドラマにもなっているので、知らない人はいないと思う。 映画だけでも 「たそがれ清兵衛」(2002年 配給:松竹 監督:山田洋次 出演:真田広之、宮沢りえ)「隠し剣 鬼の爪」(2004年 配給:松竹 監督:山田洋次 出…

私の時代小説作家

2021年4月、宇江佐真理の短編集「深川恋物語」から始まった時代小説愛。 前回も書いたが、宇江佐真理を読みつくしてしまう前に、他の作家を探して山本周五郎をみつける。 この2人の作家を読んでいるうちに、澤田ふじ子、北原亜以子も読むようになる。 2021年…

心揺さぶられた、山本周五郎「さぶ」

宇江佐真理の時代小説にハマって、次々に読んでいて不安になった。 それは、また読みつくしてしまったらどうしよう。 あとに読めるものを確保しておきたいと、そわそわ。 そして、他の作家で時代小説を探そうとネットで調べたら、”不朽の名作””時代小説の金…

時代小説にのめり込んだきっかけの作品は、宇江佐真理の「深川恋物語」

1年半振りの更新になります。 その1年半前の記事にも、さらっと紹介したのですが、改めて、読んだ本を記録に残そうと思いました。 深川を舞台にした、市井の人々の切ない想いを描く、珠玉の短編集。 第21回吉川英治文学新人賞候補作。 単なる恋愛ものでは…

本が面白すぎてあっという間の1か月半

せっかくの電車通勤なので、本を読まなければもったいない。 そう思って、自分の本棚から取り出した2冊。 田辺聖子「ジョゼと虎と魚たち」 2003年に妻夫木聡と池脇千鶴主演で映画化されてたけど、去年はアニメ映画になっていたから、もう1回読んでみたくなっ…

「邂逅の森」を読んで、もののけ姫の世界が蘇った(追記)

今回「邂逅の森」もブロガーさんの影響で手に取ってみた一冊。 この数年は自分に読む体力というか、気力と言うものが失われていたため、小説らしい本は読めていなかった。 先日の「火花」と一緒に古本屋で買い求めたが、実は「邂逅の森」は手に取ってみると…

又吉直樹様、今頃「火花」を読みました

偶然かな、花火の栞がついていた 賞を取っている作品はどういうわけか手が伸びない傾向なのです。いつか読めるだろうと思いつつ受賞から6年目にして、ブロガーさんの影響で読む機会を得られました。 古本屋さんで買った文庫本はとても綺麗で、付いていた栞…

【読書歴】初めての文庫本は、壺井栄の「二十四の瞳」だった

最初に文庫本を手に取ったのが小学5~6年生のとき。 家に一人きりで時間を持て余していた時に、ふと目についた文庫本。 母が本好きだったので、母のものだったのか。 何となく手に取ってみた文庫本が、壺井栄の「二十四の瞳」だったのだ。 引き込まれて一気…

どんな時にも人生には意味がある:「夜と霧」ヴィクトール・E・フランクル

志村けんさん、ありがとう 志村けんさんは回復して元気に会見するイメージしか持っていなかったので、かなりショッキングで動揺しています。 踏ん張らなければ。 食い止めなければ。 ブログ更新 同じはてなブロガーのまりさんの言葉 「でも、桜はまた来年も…

手元に置きたい1冊「茨木のり子詩集」

読書で現実逃避 先日amazonで、初めて! Kindle版を購入してしまった。 かねてから、「紙をめくらずして本が読めるかーー!」と口には出さないが心の声が叫んでいたのにだ。 どうしてもすぐ読みたくて購入してしまった。 ポチしたらすぐ読めて マーカーなん…

令和初の「歌会始」放映を観て、田辺聖子著「小倉百人一首」を再読

1/16に、令和となって初めての新春恒例「歌会始」が、皇居で行われました。 たまたま仕事で訪問したお宅のテレビで放映されていて、仕事中なのについつい見入ってしまった。 今年のお題は「望(のぞみ)」 一般応募から入選者10人が招かれた中で、今回最年…

田辺聖子「文車日記」を読んで気分は平安へ

今日は、大好きな田辺聖子さんの数ある作品の中から「文車日記(ふぐるま日記)」の紹介。 田辺聖子作品はとにかく大好きで、文庫本を被り買いをしてしまうということが続いて、一時期はエクセルで一覧表を作ったりしていた。 最初は恋愛小説から始まったのだ…