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時代小説に夢中

電車の中で盗撮の現場を見てしまったとき、あなたならどうしますか

書こうか、書くまいか、悩んで書くことにした。

 

タイトルの件を経験してしまったのだ。

 

朝夕の通勤は満員電車に揺られている。
その日はちょっと早く着いて、1本早い電車に乗れた。
いつものぎゅうぎゅう詰めより余裕があって、ホッとしていた。

 

その日も文庫本を開いて読み始めたら、すぐ後ろの男性がしゃがみ込んだ。
『ん?…気分が悪いのかな?』
気になって振り向こうと思ったら立ち上がった。

 

やれやれと、本の世界に入り込もうとしたら、またしゃがみ込んだ。
仕事柄、体調が悪いのではないか気になる。
今度は振り向いて、顔色は大丈夫か覗き込もうとした。

 

私が心配したその男性はしゃがんで、隣の若い女性のロングスカートの下に、スマホを差し入れていた!

 

こんな衝撃的な場面、想像がつくだろうか。

 

『大変!やめさせなくちゃ!』と思った時にはもう、
「何してるの?!その携帯?」
と口から出ていた。

 

「何もしていません。」
と、その男性が立ち上がった。

 

2度目の衝撃が私を襲う。

その男性は、幼い顔をした男子高校生だったのだよ。

 

泣きたくなる。

 

大声は出していないが、確実に周囲には聞こえているはず。

隣の若い女性は、ロングスカートなので自分が盗撮されているとは思いもしないのか、動じていない。

 

高校生だという衝撃で、私の方が動揺してしまっている。
これ以上騒ぎ立てることは、女性にとってどうなのか?
この男子高校生の将来は…

 

この嫌ーな空気、助けて。
頭の中が渦巻いて吐きそうになっているうちに、次の駅に着いて、女性は降りてしまった。

 

そして、自分の降りる駅に着いて、その男子高校生も同じ駅で降りた様子。
しっかり制服を覚えている。

 

降りてから乗り換えるために駅構内を歩くうちに、『あれ?私の顔も見られたよね、逆恨みとかないよね・・』と不安になって心臓がバクバク。

 

急ぎ足で職場について、同僚の女性に伝えたら、

「何してるの?!って言ったの!!!カッコいい!でも私は言えない。何されるか怖いから言えない。」って。

もう一人の女性は、

「私は見て見ぬふりする。」って。

 

3度目の衝撃が私を襲う。

何なんだ、世の中どうなっているのだ。

 

私はカッコつけたくて言ったわけではなく、考える前に言葉が出ていた。

ただ、見て見ぬふりなんてできないことは確か。

 

結局は何事もなかったかのように過ぎてしまったけれど、誰かに目撃されて注意されたということは、あの男子高校生にとって抑止力になったのではないかと思いたい。

2度としないでほしいと願いたい。

 

どうしたら良かったのか、ネットで調べてみた。

目撃したのが腕に自信のある男性だったら反撃も怖くないかもしれないけれど、自分も相手も怪我をする可能性があるので良くないらしいです。

容姿を覚えて、すぐに駅員さんに知らせることが良いようです。

 

同じような経験をしている男性の方がいました。

rkb.jp

沢木耕太郎「春に散る」を読んで、ボクシングが苦手ではなくなっていく

ネット上で、佐藤浩市×横浜流星W主演で映画化「春に散る」と言う記事をみつけた。

「春に散る」の公式サイトをのぞいてみると、好きな山口智子も出演する。

佐藤浩市のコメント、「生き様があっても生き方が見えない漢たちが、自身のこれからと最後を賭けて同じ船に乗る。」も良かった。

 

そして、山口智子のコメント。

ボクシングについて全く無知であった私は、まず沢木耕太郎さんの小説を開きました。一気に引き込まれて、あっという間に読み切りました。「ボクシングは荒々しい男の世界」というそれまでの思い込みは、清々しい力に満ちた一陣の風にすっかり吹き飛ばされ、「どう生き切るか」という、命ある者全てへの問いかけに、自分も挑み直してみたいという思いが湧き上がってきました。「今」というこの瞬間に、熱く、濃く、己の心に偽りなく、力を注げるか。

 

このコメントを読んで、「春に散る」をどうしても読みたくなった。

およそ2年ぶりに、時代小説以外を読んだことになる。

 

ちなみに、以前も書いたけれど、終活をした自分としては、今回も図書館で予約をしていた。

ところが、12月に予約をして手元に来たのは2か月後だった。

「春に散る」は、朝日新聞での連載時から大きな話題を呼んだ傑作小説と言うことと、映画化と言うことで人気なのかもしれない。

 

【あらすじ】

主人公の広岡は、かつてボクシング世界チャンプを目指していたが、不公平な判定負けで挫折しアメリカへ渡米。40年ぶりにアメリカから帰国し、同じ時をジムで過ごした仲間たちと再会し、やがて4人で共同生活を送ることになる。

四天王と呼ばれ、全員が期待されつつも世界チャンピオンになれなかった4人は、引退後の人生をうまく生きられていなかった。

その4人が、若いボクサー黒木翔吾と出会い、それぞれの思いを託し、技術を教え込んでいく。

 

ボクシングは人を殴り合うだけで、本当に意味が分からなくて野蛮でとても苦手だった。

 

後半の盛り上がり、世界タイトル次期挑戦者決定戦のボクシングシーン。

4人の元ボクサーが付ききりで教え込んだ黒木の試合は、映像が浮かび、黒木を応援している自分がいて、とても感動的だった。

【ネタバレ】

試合前半は互角で戦えていたが、1年のブランクのあった黒木は、後半は打たれ続け、教えられた技を出すこともできなかった。とうとう棒立ちになり、連打を浴び続け、誰もが終わりだと思っていた。相手が初めて足を止め、距離を縮め、とどめの右フックを放った.....黒木はこの一瞬を待っていた。すっと体を沈め、完璧なボディフック。4人に教え込まれた技のひとつだった。大逆転のKO勝ち。

 

そして、単なるボクシング小説ではない。

人生の終盤を迎え希望を見いだせず、「俺は生きているか?死んでないだけじゃないか?」と自身に問いかける男たちの生きざまがベースにある。

これから先、実際にボクシングの試合を観るかはわからないけれど、偏見のようなものは消えて、スポーツだと認識できるようになった。

初の作家さんであったが、読みやすく読後感は清々しい。

 

gaga.ne.jp

 

シルク・ドゥ・ソレイユ「アレグリア」を観て、感動とおしりの痛みと

アレグリア広告

先日、お台場ビッグトップで「アレグリア」を観てきた。

チケットは去年の11月にSS席を買い求めたけれど、すでにS席に近い所しかとれなかった。

アレグリアの座席表

コロナ禍の影響で5年ぶりの再開。

あの頃、演者さんたちが解雇になったニュースを思い出す。

 

アレグリア」は、1994年の初上演以降、約19年にわたり世界中255都市で上演され、1,400万人以上の観客を魅了し、愛されてきた作品で、今作は、日本のおける2004年の「アレグリア2」以来、シリーズ第3弾となります。

小倉智昭「テントの中に幸福感があふれている」シルク・ドゥ・ソレイユの魅力

 

素晴らしかった。

小倉さんの言葉を借りれば、”サーカスであり、ミュージカルであり、芝居であり、スポーツでありっていう、エンターテインメントのすべてが詰まっている”のだ。

そこに生演奏に生歌。

 

花形の空中ブランコは、スリリングなだけではなく、美しすぎて、思わず感動で落涙してしまう。

 

機会があれば、是非観ていただきたい。

 

そこで、これから観る人にアドバイスを。

客席が狭く椅子が硬いので、休憩30分入れて約2時間半を楽しく観るために、敷物を持参すると良いと思います。

それからトイレ。

男性トイレもすごい行列です。

 

フィナーレだけ、カメラOK。

アレグリア フィナーレ

 

www.alegria-jp.com

長谷川平蔵から「死ぬことと見つけたり」の斎藤杢之助に浮気する

時代小説ばかり読むようになって2年余り。

時代小説は、市井ものから捕物帖、剣豪小説などジャンルも多く、いくら読んでも飽きることがない。

同じく時代小説好きの友人との会話から、「そうか、私はチャンバラ好きなのだ・・」ということに行きついた。

そして、お勧めされたのが、隆慶一郎著の「死ぬこととみつけたり」。

私にとって、初の作家さん。

漫画「花の慶次」の原作者さんだそう。

 

これはまいりました。

長谷川平蔵Loveだったのに、「死ぬことと見つけたり」主人公の斎藤杢之助に恋してしまった。

まだこんなに魅力的な人物がいたのか。

 

佐賀鍋島藩には、「葉隠(はがくれ)」という武士道のバイブルともいえる、全11巻の書物がある。

「武士道とは死ぬことと見つけたり

これは、武士とは潔く死ぬとか、自決とか、そういうことではない。

 

斎藤杢之助は、父子三代にわたり、この「葉隠れ」をしつけられている。

朝、目が覚めると、蒲団の中で先ずこれをやる。出来得る限りこと細かに己の死の様々な場面を思念し、実感する。つまり入念に死んで置くのである。思いもかけぬ死にざまに直面して狼狽しないように、一日また一日と新しい死にざまを考え、その死を死んでみる。

斎藤杢之助は、「死人(しびと)」として生きる典型的な「葉隠」武士である。

剣の腕も最強で、そのうえ鉄砲の名手。

友人2人のキャラクターも魅力的で、この3人が、老中松平伊豆守の野心や、鍋島三支藩・親類四家との確執の中、胸のすく活躍を見せる。

それはそれは、爽快で、豪快で、カッコいい。

 

葉隠」が追求した武士道のもうひとつに、「忍ぶ恋」がある。

「恋の至極は、忍ぶ恋と見立て申し候」と断言し、想いを心に秘めて決して相手の人には伝えぬ忍ぶ恋であるとしたのだ。

杢之助の忍ぶ恋も切ない。

 

文庫、上下巻であるが、1ページ1ページが楽しくて仕方がない。

残念なことに、長谷川平蔵の「鬼平犯科帳」と同じく、作者の急逝で未完となっている。

それでも断トツに面白い。

永久に読んでいたいくらいだ。

 

でも、「鬼平犯科帳」も永久に読みたい作品で、長谷川平蔵もやっぱり大好きだ。

愛刀、粟田口国綱の剣さばきにも惚れ惚れ。

粟田口国綱 ニ尺ニ寸九分

 

ビートルズのドキュメンタリー映画「Mr.Moonright」に泣けた


正式には、

ドキュメンタリー映画『ミスタームーンライト~1966 ザ・ビートルズ武道館公演 みんなで見た夢~』

2023年1月27日(金)より
東京・TOHOシネマズ 日比谷ほか全国で公開

 

感想は、「とても良かった」のである。

ドキュメンタリーなので、ビートルズの楽曲とかは無い。

それほど期待はしていなかった。

ピアノを弾く音楽好きの友人を誘ったので、つまらなかったら申し訳ないなぁと思いながら鑑賞。

 

友人は、映画の冒頭にかの有名なキャバーンクラブの映像が出て来ただけで、落涙したらしい。

私ほどビートルズ好きではなくても良かったみたい。

私は後半、なぜか泣けてきた。

 

なんなんだろう。

あぁ、やっぱりビートルズは素晴らしい。

ビートルズを好きでよかった。

と、改めて感じられた。

 

1966年に初来日し、武道館公演が実現するまでの舞台裏と、総勢50名以上のアーティストや著名人のインタビューは、いくらでも聞いていたいし、ワクワクだった。

 

ネタバレ

高橋 克彦さん(小説家)なんと、日本人で初めてビートルズに会ったのは東北に住む高校生の男の子だった。友人と2人、船でソビエトを経由してイギリスへ渡り、ファンクラブを訪ねたら、相手は感動してビートルズに会わせてくれたと言う。もちろん、武道館公演のずっと前だ。このエピソード、もっと聞きたいものだ。

 

コンドン 聡子さん(元日本航空客室乗務員) 日本のハッピをビートルズに着てもらうミッションをこなした人。ポールが書いた手紙を出してと頼まれ、宛名を見たら女優さんの名前だったので、それからジョンのファンになったと言っていた。

 

財津 和夫さん(チューリップ) そもそも皆が騒ぐようなものには毅然としていようとしていた自分だったが、ビートルズを聴いてしまったら、そんなことは言ってられなかったという。どっぷりビートルズでいっぱいになったと。武道館公演は、九州から十時間以上かけて列車で、靴もなく下駄で向かったと。

 

大村亨さん(ビートルズ研究家) この人は凄い。国内の新聞・雑誌182万ページを、国立国会図書館に通い分析したのである。どれくらい時間を要したのかの質問に、「長くかかると思ったけれど、そうでもなかった。5年くらいでした。」と淡々と語っていた。

 

今現在活躍している若いミュージシャンの、井口理さん(King Gnu)、峯田 和伸さん(銀杏 BOYZ)のインタビューも、とてもとても良かった。

 

1962年にイギリスでデビューした4人組のバンドは、瞬く間に世界中の若者たちを虜にしました。十数年前まで洋楽は「敵性音楽」だった日本でも、新しいモノに敏感な10代の少年少女は熱狂していきます。しかし、当時の大人たちは「あんな音楽を聴くと不良になる」「まるで騒音だ」と罵りました。そのような状況の中、4人は日本へやってきたのです。日本武道館で行われる初めてのライブということもあり、右翼をはじめ、猛烈な反対運動が起きました。警視庁は延べ3万人以上を動員し、彼らが降り立つ空港も、通る道路も全てを封鎖。教育委員会も各学校へ「ライブへ行くべからず」と禁止令を出しました。今では考えられない厳重な警備の中、1966年、日本音楽史に残る「ザ・ビートルズ日本武道館公演」は行われたのでした。

(監督:東 考育)

 

ビートルズの楽曲で何が1番好きか?

みんな好きだから答えられないのだけれど、今は「抱きしめたい」だ。

 

mr-moonlight.jp

神戸で「劇場型水族館アトア」と神戸ビーフを堪能

日本最大の球体水槽

精霊の森フロアでは、ゾウガメがお散歩

2021年10月にオープンしたアトアは、アクアリウムとアートが融合した新感覚の都市型水族館です。

神戸、三宮駅から南へ徒歩18分ほど。

外観はコンクリート造りで、水族館とは思えない建物だったので入るまで戸惑いました。

「幻想的で独創的な世界を感じる」ということで、とにかく魚が好きなんだ!という方には物足りないけれど、新しい感覚で面白かった。

 

atoa-kobe.jp

 

帰りは元町をてくてく歩きながら、夕食探し。

さすが、神戸牛のお店が多い。

誘惑に勝てず、吸い込まれていった「神戸牛 黒澤」さん。

大人気メニュー【神戸牛ステーキ重 極上赤身】

 

神戸牛赤身寿司1貫サービス付き♪

お肉はあまり得意ではない私も、赤身なのでペロッと平らげてしまいました。

ちなみに、平日限定2980円です。

 

kobebeef-kurosawa.business.site

 

ホテルからの夜景がまた素敵でした。

神戸のランドマーク「山麓電飾」

数年ぶりの神戸。

大阪に暮らしているときは、いつでも行ける場所だった神戸。

今は、今度いつ行けるかわからないので名残惜しく後にしてきました。

【駅弁】東京駅の、のり弁が美味しすぎる

東京駅で買える、のり弁が人気で食べられないと聞いていたけれど、買えた。

いくつか種類がある中で、金華鯖のり弁を。

もう美味しいのなんのって。

副菜もすべて美味しいの。

 

のり弁の海苔は、有明産海苔が2段になってる。

「おばあちゃんの紫蘇まき」とやらは、何でできてるのかわからないけれど、ご飯に合う~

玉子焼きも、これが弁当の玉子焼きか?というくらい、ふんわりでお出汁の上品な美味しさ。

そして鯖は、久しぶりに国産の焼き鯖を食べさせていただきました。

海なし県に住んでいると、美味しい国産のお魚が手ごろに食べられなくなってきているので、涙にむせんで食べました。

 

是非是非、機会があったら食してみてください。

 

1番人気はシャケのり弁でした。

金華鯖のり弁は1380円だったかな。

本当に美味しい。

noriben-yamanobori.co.jp