revival

時代小説に夢中

明治維新の影に、気高く生きた会津藩の人々の物語「修理さま 雪は」を読んで

会津落城の早朝、運命が一変してしまった会津藩の人々を主人公にした連作7編です。
会津藩と言うと、15歳前後の武家男子を集めた白虎隊の悲劇が思い浮かんでしまいますが、史実に基づいた7人のお話は涙なしでは読めないものでした。


「修理さま 雪は」
藩主松平容保の側近で将来有望の神保修理は、雪と結婚して間もなく藩の責任をかぶり切腹
会津武士、神保修理の妻としての矜持を胸に自ら命を絶った神保雪子。美しかった雪は敵(大垣藩)に連れていかれ凌辱され・・

「涙橋まで」
現在も"会津女性の華"とよばれる中野竹子の物語。
会津城下に新政府軍が迫るなか、武芸にたけた中野竹子は女性6人で薙刀を携えて戦場に出る。

「雁の行方」
代々会津藩家老をつとめる名門西郷家の当主、西郷頼母の物語。
その日、西郷頼母の家族親族21人が同時に身を刃にゆだねた。土佐藩士が銃撃を避けて豪壮な屋敷に入り込んだところ、一室に婦人多数が自刃していた。17,8歳の女性が死にきれずに起き直り、目も見えなくなって「敵ですか、お味方ですか」と訊ねた。痛ましさに味方だと答えると、美しい娘は震える手で懐剣を差し出した。

「残す月影」
大河ドラマ「八重の桜」でお馴染み、山本八重(後に新島八重)の物語。
八重は父が砲術師範で、兄の覚馬も洋式砲術を修めたため、女ながらに鉄砲の扱いに長じていた。最後まで死んだ弟に成り代わって戦う覚悟だった八重は、負けた後も軍装をまとい籠城兵と一緒に護送されるみちを選んでいる。
大河ドラマを観ていなかったので、藤本ひとみ著『幕末銃姫伝』『維新銃姫伝』も読んだけれど、すごい女性がいたものです。

 

他、「飯盛山の盗賊」「開城の使者」「第二の白虎隊」


会津藩松平容保京都守護職を受けなければ、多くの藩士や家族を死なせることはなかった。まだ若き28歳の容保は、日夜の幕臣からの勧めに負け、衰退した徳川幕府を守らなければならない立場となってしまい、会津落城へと向かう。
藩士や家族を守ることも、「義」ではないのか。


この1~2か月、幕末、会津藩について読んできたけれど、私はどうしても、松平容保には疑問を感じてしまう。

 

アマゾンでは☆4.6の高評価です。

ただ、再版していないようで中古も高額になっています。

 

 

他にも幕末に関する本を紹介したいのに、図書館で借りているからブログに間に合わず返却しなければいけない。

困った。