主人公は、かつて御小人目付(おこびとめつけ)として剣と隠密探索の達人だった九十九九十郎(つくもくじゅうろう)。ある事情で職を辞して、「仕舞屋」と称して事件のもみ消し屋を営んでいる。歳は50代だろうか、江戸時代ではおじいさんと呼ばれる頃合い。
徳間文庫のために書き下ろされ、その後シリーズ化され4巻出ているが途中で止まっているようす。
ある日、父母を失ったという「七(しち)」と名乗る童女が、賄の職を求めて現れ、強引に九十九九十郎の家事仕事をするようになる。剣の腕がたつという噂を聞いて、いつか敵討ちをするために、侍の家に奉公をしようとする料理の上手な七。九十九九十郎はある事件の謎を追いながら、七の作る上手い料理に追い出すことができなくなる。
熊谷達也さん、百田尚樹さんの時代小説を読んだときに感じた、江戸時代のセリフの硬さとかはなく、「面白いかも」と途中まで読み進んだ。そうそう、チャンバラの場面も良かった。
設定も面白く、主人公も魅力的なんだけど、何というか無理がある感じ。事件を追っていくと「ん?それはちょっと・・」と、のめり込めなくなる所が気になった。
池波正太郎を読んでいなかったら、続きを読んだかもしれなかったなぁ、残念。
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