豊臣秀吉が天下統一をとるときに、最後まで陥落することなく、唯一落とせなかった城として名を残すことになった忍城(おしじょう)の戦い。
のぼうの城の忍城は、現在の埼玉県行田市に位置し、史実に基づいたお話です。
読後はもう
爽快!
清々しいことこの上ない。
<ネタバレあり>
1590年(天正18年)、小田原城の支城である忍城の総大将が主人公の成田長親=のぼう様(でくのぼう)。
脇を固める武将の正木丹波、柴崎和泉守、酒巻靭負がそれぞれにカッコいい。
そして、豊臣方の忍城攻めの総大将は石田三成で、脇を固めるのは、大谷吉継、長束正家ら。
7月22日放送のテレビ朝日「サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん」で言っていたようで、トレンド入りしたらしい。
芦田愛菜ちゃん、すごいね、武将にも詳しいんだから。
大谷吉継は石田三成の盟友で、直情型の三成を諫めるけれど、聞く耳を持たない三成。
それでも負けるとわかりながら、最期まで友とともに戦った大谷吉継。
実はこの戦い、すでに、秀吉と内通する予定で、一戦も交えず開城のはずだった。
そして、三成の軍使として忍城にやってきたのが、性格の悪い高飛車でイヤなやつ長束正家。
持ってきた条件は悪くなかったが、高飛車な長束正家の態度。
なんと、成田長親=のぼう様は馬にも乗れず、戦の経験もないのに、「戦いまする」とのたまった。
さあ、それからが大変。
だって、こちらは2000程の兵、三成の方は2万だよ。
勝てるはずがない。
周りが何とか説得しようとするが、成田長親=のぼう様は
「武ある者が武なき者を足蹴にし、才ある者が才なき者の鼻面をいいように引き回す。これが人の世か。ならばわしはいやじゃ。わしだけはいやじゃ。」
「それが世の習いと申すなら、このわしは許さん。」
これで、坂東武者たちの正木丹波、柴崎和泉守、酒巻靭負らは立ち上がる。
百姓たちまでもが、のぼう様を助けなければと立ち上がる。
もう、ここからは上下巻だけれども、ページを繰る指が止まらなくなる。
信念と結束力、知恵があれば、10倍の敵に勝てるんだね。
そして、石田三成は日本最大級の水攻めへと向かう。
忍城は落城せず、結局は小田原城が先に落城したことによる開城となった。
ラスト、開城の下り、石田三成は、
「この城だけだ、落ちなかったのは」「良き戦にござった」「負けた負けた、完敗じゃ」と気持ちよく去るんだけど。
「のぼうの城」を読み終わって、今、山本兼一さんの「修羅走る 関ケ原」を読んでいる。
たまたま図書館で目について手にした。
順番としては丁度良かった。
「のぼうの城」で、石田三成は人としては良い人物に描かれているけれど、これじゃ、関ケ原は勝てるわけないと腑に落ちた。
秀吉が三成を認め、可愛がっていたことが、家康の時代を迎える結果になったんだなぁ・・と、ぼやきながら「修羅走る 関ケ原」のページを繰っている。
「のぼうの城」は、とにかく爽快!痛快!
時代小説のとっかかりとしても、おススメです。
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