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信長暗殺に散る五人の刺客の物語「弾正の鷹」山本兼一著

利休にたずねよ」で直木賞を受賞した、山本兼一さんの時代小説を久しぶりに読んだ。

山本兼一さんの時代小説は面白い。まだ未読の楽しみにしている作品はとってあるので、今回は五編の短編集を手に取ってみた。

「下針(さげばり)」の主人公は、紀州雑賀党の鉄砲名手・鈴木源八郎。

「ふたつ玉」の主人公は、甲賀の鉄砲名手・善住坊。

「弾正の鷹」の主人公は、信長に父を処刑された桔梗。

「安土の草」の主人公は、甲斐の忍び庄九郎。

「俱尺羅(くしら)」の主人公は、将軍足利義昭から信長毒殺を命じられた遊女の俱尺羅。

五編ともに、男女の愛情が絡んでいる。

タイトルにもなっている「弾正の鷹」は、美しい桔梗が年月をかけて鷹匠になっていくプロセスは興味深かった。

信長は暗殺されていないので、当然すべて失敗に終わり、哀しい最期が痛々しい。

面白いのでさらっと読めてしまうが、やはり長編でないと物足りなさが残る。

 

 

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