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時代小説に夢中

搬送先が決まるまで2時間、救急隊員の優しさに頭が下がる

私が担当している最高齢者は99歳で一人暮らしの女性。

主な症状は腰痛で、週1回の整形外科への通院と、近くのスーパーに週2回ほどの買い物を自分でしているのだ。

とても気丈で、しっかりされていて、「爪の垢をください」とずうずうしくお願いしたこともあった。

 

その女性のかかりつけの薬局から、「何度も電話をしているが繋がらないので心配だ」と連絡が入った。

親族は94歳の妹しかいないので、その妹さんへ連絡をして行ってもらった。

着いた頃を見計らって電話をすると、動けないでいるという。

 

自転車で走り、駆け付けると、ベットに寝ているが意識はしっかりしている。

原因は良く分からないが動けなくて、昨日からほとんど飲まず食わずでいる。トイレに行かないで済むように、喉が渇いているのに水で口をゆすぐだけにしていた。

往診も考えたが、妹さんも94歳で介護ができる状況ではないので、救急車の要請しかないことを説明をする。

音がするから嫌だとか、なにせ99歳と94歳なので決まらない。しまいに妹は「しっかりしなさいよ」と言いだして(汗)

 

何とか説得して、救急車を要請。

男性2人と女性1人の救急隊員さんだった。

「遠い病院はトイレが間に合わないからダメ」というので、搬送先の病院が決まるまでトイレのある自宅内で病院探しが始まった。

 

状況を説明しては病院に断られるという状況が延々と続く。

傍で聞いてる私は、『そこまで細かく聞いといて断るって!』と、救急隊員さんが気の毒になる。

待ってる間も、トイレへの介助を救急隊員さんが手伝ってくれたり、「時間がかかってしまってすみません。」と、救急隊員さんに非があるわけではないのに何度も謝ってくれたり。

 

2時間後、やっと搬送先がみつかった。

何度か、救急搬送のお手伝いはしてきたが、こんなに優しい隊員さん達は初めてだ。

3人の連携も良くとれていて、素敵なお仕事ぶりに疲れもふっとびました。